|道冷工 - 一般社団法人 北海道冷凍空調設備工業会

資料室

低温機器等の廃棄物処理について
排出事業者の責任と処理委託契約
゛廃掃法゛とは「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」のことで、゛廃棄物処理法゛とも略称されます。増えつづける廃棄物の抑制と適正な処理等を目的とする、厚生省管轄下の規制法規で、平成9年6月にて改正され、平成10年12月1日までに段階的に施行に移されました。
1.排出事業者の責任で処理
排出事業者はその事業活動にともなって生じた廃棄物(産業廃棄物)自らの責任において適正に処理しなければなりません。
排出事業者の定義
「廃掃法」には「排出事業者」の定義はありませんが基本的には所有者(場合によっては所有者以外の使用者)とされています。
使用形態
排  出  事  業  者
購入所有物 所有者(=使用者)
リース品
リース会社
        但し、リース業者と使用者間で所有権 移転が行われれば使用者
貸与品 貸し出し側
下取り機 引取り側
* 新しい製品を販売する際に商習慣として同様の製品で使用済みのものを無償で引き取り、収集又は運搬する下取り行為については、商習慣として認められていますので収集運搬業の許可は不要。この場合、下取りした後に、下取り業者が排出事業者となります。左記①~④について所有権はいずれの場合も排出事業者が持っていることになります。
④の場合も下取りによって所有権が、使用者から引取り業者(販売業者)移ったことになります。

2.処理委託契約
 排出事業者は産業廃棄物の処理(運搬と処分)を委託する場合は、「産業廃棄物収集運搬業者」「産業廃棄物処分」(いずれも管轄の都道府県知事が許可を与えた業者のこと)書面 による委託契約を結ばなければなりません。
※ 排出事業者が自己の車両で自ら廃棄物を運搬することは可能です。下取りによって所有者(排出事業者)となった設置業者等も同様です。
① 収集運搬業者と中間処理業者が異なる場合
  排出事業者収集運搬業者―収集運搬に係る契約書
  排出事業者中間処理業者―処分に係る契約書
② 中間処理業者が収集運搬業者を兼ねる場合
  排出事業者中間処理業者―収集運搬及び処分に係る契約書
※処分には、中間処理と最終処分がありますが、低温機器等は、現実には、中間処理業者との契約となります。
3.産業廃棄物管理票(マニフェスト)交付
排出事業者は産業廃棄物管理票(マニフェスト)自らの手で交付し、処理の確認と管理票の保管(処分終了後5年間)を行わなければなりません。 
QεA
Q: ユーザから設置業者に所有権を移せば、設置業者が排出事業者となるので、ユーザ に代わって処理を行うことが出来ますね。
A: 出来るとは限りません。処分を目的としての所有権の移転であれば違法です。「処分目的でなく所有権を移す」為には、その物に価値がなければなりません。価値がなければ、その者はその時点ですでに廃棄物であるとして「処分委託行為」と見なされ両者共、処罰の対象になる可能性があります。また移転価格1円とかん10円などという場合も同様です。
Q: 正しい「所有権の移転」とは、どんな場合ですか?
A: 適正な価格で売買することです。固定資産の場合には、残存価格が1つの基準となります。また、現実には輸送費取外し料などが必要となってきますが、見積書、契約書等には製品価格と相殺することなく、明細を明記することが必要です。